平成24年4月26日 相馬市にある鹿島神社に、桜(ソメイヨシノ)の枝木を植樹奉納することが決まりましたので行って参りました。
この植樹の案は、今年の3月24日に京都で開催した福島応援シンポジウム「それでもなお、桜咲く。」の打合せにプレマ基金代表の中川信緒が福島へ行った際、福島県相馬市の地元の人たちに提案したのがきっかけでした。地元のご厚意で鹿島神社という建立して1200年つづく由緒ある神社に奉納が決まったのです。
福島に桜を植樹するというそもそものきっかけは、中川が初めて福島に行った去年4月、咲き誇る桜をみて「この先、何年かかろうと復興するまで、つながりを絶やさず福島と寄り添っていこう」と決心。突然、「福島に住所を移す」と言い出したことがありましたが、現実的に経営者であり社員を抱えている中川にとっては叶わぬ想い・・・桜の枝木を植えることで、そこに根づき福島と寄り添って行こう。と、そんな想いもあったのかもしれません。中川にとって福島でみた桜は、福島応援シンポジウムのタイトルを「それでもなお、桜咲く。」と決めたことからも、大きな意味合いを感じとれるものであったようです。
実は、震災後、広島県の心ある方から中川に託された多額の支援金の使い道を迷っていたこともありました。震災から一年が経ったいま、物資の支援や新たな調達に充てることより、より福島のためになる方法はないかを模索。福島に暮らす人たちと接していることで、今はなにをすべきか自ずと感じられることもあります。そして導き出した答えは「私たちは忘れていない」「いつも想いを寄せています」という想いを示すことだったのだと思います。ときにひとは嫌なことはすぐに忘れてしまいたいと思うことがあります。嫌なことは忘れるという、これもまた人間の素晴らしい能力だとは思いますが、いま福島の人たちにとって忘れられてしまうということがどんなに辛いことかを知ったうえで導いた答えだったのでしょう。福島にある神社に植樹することで、共に桜の咲き誇る季節をこの先、何年も福島の人たちと一緒に迎えることができる。そんな思いから桜の植樹奉納が決まったのでした。
「福島の出来事を永久に忘れない」
これは福島に暮らす人たちだけではなく、同じ日本に生まれその国で暮らす全国の皆さまへのメッセージでもあります。まだ小さな枝木ですが来年の春には咲き誇っているはずです。